May 20, 2009

ルネッサ フユーエルポンプ分解【4DNフユーエルポンプトラブル考】


昨日(19日)周遊にてチマメッタさんから教わった驚愕の事実?

黒エンジンの初期型ルネッサに見られるトラブルの一つ...フユーエルポンプからガソリンが流れ続けてシリンダー内に進入し、フユーエルロック(ガソリンロック)が起こり始動困難になる。は広く知られていることと(勝手に)思います。



フユーエルロック(ガソリンロック)とは、何らかの原因で燃焼室にガソリンが流れ込み、燃焼室内がガソリンで満たされてピストンが動けなくなってしまう症状を差すようです。この状態で無理に始動を試みると、セル始動の場合はセルのワンウエイクラッチギヤやセル自体が壊れたり、最悪コンロッドが曲がるそうです。また、この症状が出ると通常セルでの始動が困難になりますので、それでもなんとかして始動したい!と押し掛け始動をしてしまうと、これまた場合によってはコンロッド変形など招き大事に至るそうです。

フユーエルロックの症状としては、知らずにセルボタンを押したときにエンジンから「カンカンカン!」というような大きな打音が出た場合は、このトラブルの可能性が高いので、以後の始動は絶対に行わず、バイク屋さんに引き揚げてもらうなどしてもらいましょう。4DNでコンロッドまで曲がった症例はチマメッタさんの経験ではないそうですが、FZRだったかで、オーナーさんが押し掛けを続けたためにコンロッドが激しく曲がっていた例があったそうです。

またフユーエルロックが起こる前兆として燃費が極端に悪くなったり、キャブがオーバーフローを起こしたようにプラグがカブってしまったり、場合によってはマフラーからガソリンが噴き出したり...の症状が出ることもあるようです。こんな時は可能性の一つとしてフユーエルポンプ(とフユーエルコック)のトラブルを疑ってみてもいいかもしれません。

追記
四月一日堂さんからフユーエルコックのトラブルに関するコメントをいただきましたので、目を通してみてください。四月一日堂さんありがとうございました。

...四月一日堂さんの話を伺うと、キャブにガソリンが逆流してオーバーフローを起こすトラブルはフユーエルコックの不具合から起こるようで、これはルネッサに限らずSRVにも見られる現象のようです。




それでは何故ポンプにトラブルが起こるのか?ポンプに何らかの欠陥があり負圧の膜に穴が空く話は当時1号にトラブルが出た際バイク屋さんから伺ったものの、それ以上のことは「?」でした。

トラブルが出て膜の穴あきが原因とわかっても、ポンプの内部パーツは単品では出ません。修理=コックとポンプをASSYごと交換でした。

さて話は昨日の周遊へもどりまして...少なくない4DN整備経験を持つチマメッタさんは、当時このトラブルで入庫するルネッサが複数あったため、原因と思わしきポンプを分解したところ、ポンプ内部に成形上の「バリ」が残っていて、それにポンプ内で動く膜が触れることで傷つき、結果膜に穴が空き、ガソリンが流れ続けた。ということを突き止めたそうです。

そして新品ポンプを取り寄せて分解したところ、原因となっていたバリは削られて対策?されていたそうでした。...ちなみに同じダウンドラフトキャブを使うディバージョンにも同様のトラブルが出ていたそうです。

では何故その前のSRVにこのトラブルがで出なかったのか?...ルネッサでさらなるコストダウンを狙った?ヤマハ、もしくはポンプ製造メーカーのミクニ(の下請け?)が作業工程を減らすことで対処。その減らされた作業工程の一つ?がポンプ内部の仕上げだったのかな?なんて当てずっぽうな妄想も...。

と言うことで?じゃぁ、ワタクシの手元に残っている1号の初代トラブルポンプはこれは当てはまるのか?と思いまして、早速ポンプを発掘&分解してみました。以下順を追って...


特徴的な六角形型をした4DNのフユーエルポンプ
SRVとルネッサの共通部品です


ポンプ裏側には「MIKUNI CORPRATION MADE IN JAPAN」の文字
6つのネジを外してポンプを割ると問題の場所にアクセスできます


ポンプ裏蓋を外すと半透明の膜が登場
2番シリンダーからの負圧でこの膜が動くことでポンプの働きをするのでしょうか?
...ポンプ裏蓋は軽く固着しているのでドライバーの柄などで
ポンプをコンコン叩いてやるとパカッとはずれます


ペリッと簡単に剥がれる半透明の膜を見ると...
あらあら中央には無数の傷が...


膜の傷部分を拡大...
肉眼では貫通している亀裂や穴は確認できませんでしたが
ここからガソリンがどんどん漏れて負圧を取るホースを伝って
2番シリンダーに直接ガソリンが流れ込むことで
フユーエルロックトラブルが起きたでしょうか?


続いて裏蓋内側に目をやると...
中央にはチマメッタさんの言う小さな突起(バリ)がありましたよ...


これも拡大すると...
これって元々金型に傷があるのにそのままパーツを成形し
なおかつそのバリを放置して出荷していた...ですね

と、1号の初代ポンプはまさにチマメッタさんの言う欠陥ポンプであったわけです。気になるのは、この欠陥ポンプは初期型ルネッサ全てについていたのでしょうか?それとも生産ロットや生産ラインによってバリがないポンプがあったりなかったり、バリの処理がされていたりいなかったりしたのか?

初期型全てに欠陥ポンプついていたならほとんどのルネッサにトラブルが起きたはずですが、それほど高頻度ではなかったような...運不運なんでしょうかね...。

とにかくバリの残ったポンプをつけられて出荷されたルネッサは数千キロ走行するとポンプの膜に穴が空き、トラブルに見舞われていたのではないかな?なんて。ルネッサ発売からすでに13年。ヤマハがしっかり対応してくれていれば、またはオーナー間でも早くこのことが分かっていれば「ある日突然、それもツーリングの当日にフユーエルロックで始動困難」なんて酷い目に遭わずに済んだオーナーも多かったろうになぁ...と勝手に残念に思ったりもするのでした。

続いて同じ初期型の2号のポンプはどうなってるの?...早速外して分解すると...ポンプ裏蓋内側にあったと思われるバリはヤスリのような物で削られた後がハッキリクッキリ!


2号のポンプ裏蓋内側のバリは削られておりまして
半透明の膜に傷はありませんでした

この場合、
1:前のオーナーさんがポンプを替えた
2:バイク屋さん(例えばYSPなどヤマハ系ショップ)が
  このトラブルを知っていて納車orその後の整備のときに処理した
3:出荷時から元々このポンプだった
のいずれかは定かではありませんが、うちの2号においてフユーエルロックの心配はなさそう。...これはこれでなんだか不思議な脱力感を感じました。

と、うちの2台は上記のような結果になりました。メンテ好きな他オーナーさんでポンプを交換した記憶がない、または中古車だから履歴不明...な場合は一度チェックするといいかもしれませんね。

あと興味があるのはSRVやシルバーエンジンの後期型ルネッサのポンプ内部です。実家に戻らないとSRVのポンプは無いのですぐには確認できないのが残念ですが、SRVの裏蓋内側の仕上がりがとても気になるところ。次回実家行きが楽しみです(笑) ...SRVオーナーさんでポンプを分解した人がいたら、よかったら内部の様子を教えてください。

このフユーエルポンプには、もう一つ膜のある部屋があるのですが、うちのは固着してしまって分解できませんでした。日を改めて確認してみようと思っています。

チマメッタさん、情報をありがとうございました!