April 13, 2010

ニードルジェットのクリップ位置を変更してみる【4DNニードルクリップ位置変更】


まずはキャブレターへのアクセス作業から...

シートを外す
リアサスペンション取り付け部上側のちょうど反対側にシートを固定している10mmボルトがあり、これを外すとシートが外れます。

タンクを外す
シートを外すとタンク後端に12mmのボルトが出てきますのでこれを外します。...SRV/ルネッサそれぞれタンクを外す前にもう一つする事がありますので以下説明をば。

ルネッサは...
燃料コック側の後ろシリンダーのシリンダーヘッドカバーを外します。次に燃料コックから3本のホースを外します。1本は、コック左側の細いホース。もう1本はコックの奥にあるホース。もう1本はコック右側に3本繋がっている中の一番奥のホースを外します。この時タンクからコックに来ている手前の2本のホースが残っていれば正解です。

次に燃料コックを固定してるボルト2本を外し、コックをフレームから外します。そうしてタンク後方を少し持ち上げておいて、2本のホースで繋がっているコックをフレームとシリンダーヘッドの間をすり抜ける感じで通します。ただ引っ張るとコックはフレームとシリンダーヘッドに引っ掛かりますので、向きを調整しつつ通してあげてください。これでルネッサのタンク外し作業完了です。

SRVは...
12mmのボルトが外れたら、タンク後ろ側を少し持ち上げます。するとタンクの後ろ下側にレバー付きのミニコックが確認できますので、このコックのレバーを90°動かしてガソリンをオフにします。続いて燃料コック右側手前2本のホースを外します。これでタンクはフリーになりますので外して作業完了です。SRVの場合はタンクに燃料コックは付いてきません&シリンダーヘッドカバーを外す必要もありません。...コックから外した2本のホースの取り付け位置を必ず憶えておいてください。組み付け時に逆につけてしまうと常時リザーブ状態?になってガス欠の原因になります。

また、ルネッサの場合もSRVの場合もコックからホースを外すとガソリンがちょろっと出てきますから、作業前にウエス等をコックの下側に置いておくといいです。

負圧ポンプを外す
ダイヤフラムカバーを外すには負圧ポンプも邪魔になりますから、ネジを2つ外して(ホースは付けたまま)ポンプを宙ぶらりんにしておきます。

キャブレターの上のボックスを外す
タンクが無くなるとキャブレターの上に黒い樹脂製の箱状のものが現れます。これを外します。エアクリーナー側に1つとキャブレターそれぞれに1つずつ計3つのバンドを締め付けるプラスネジがありますので、これを緩めてボックスを外します。

これでキャブレターさんが顔を出します。続いてジェットニードルへのアクセス作業を...

ダイヤフラムカバーを外す
ダイヤフラムカバーは車体右側です(反対側はフロート室)。ダイヤフラムカバーのプラスネジ4つ(計8つ)を外します。この時、両方のキャブ共にカバー下側の1つのネジにドライバーが真っ直ぐ当たらず、やや斜めの状態でネジを回すことになりますからネジ山をなめないよう十分に注意してください。ネジを緩める際、ハーネスやホース等が邪魔になりますので、適当にそれを避けてなるべくドライバーが真っ直ぐネジに当たるようにしましょう。

前側のカバー右側2箇所にはスロットルケーブル(アクセルワイヤー)ホルダーのステーが共締めされています。ネジが外れたらこのステーをキャブの外側に逃がします。

これでカバーはフリーになります...が、ハーネスやハーネスを固定するフレームから生えているステー?が邪魔をしてカバーが外せませんから、ステーを広げてハーネスを上に持ち上げたり、ステーをやや横にずらしたりして、カバーを外します。カバーと一緒にスプリングが出てきますからこれも外します。

ダイヤフラムを外す
これでニードルジェットが付いているダイヤフラムの登場となります。ダイヤフラム(黒く薄いゴム膜と黒いアルミの円筒)のゴムは薄くデリケートですし、最後に出てくるニードルもデリケートなモノですから、ダイヤフラムを引き出す際は無理な力を掛けたりせず十分注意してください。キャブボディにはまっているゴム膜を静かに外したのちダイヤフラム全体を引き抜きます。この時もハーネス等が邪魔をするので、それらを適宜ずらしたりしてダイヤフラムを引き抜きます。


赤矢印:ダイヤフラムカバー
    (右キャブはカバーもダイヤフラムも外し済みの状態)
黄矢印:ハーネス固定用のステー?
    これを広げたり戻したりしてハーネスを上に逃がしたり
    ステー自体を横に曲げたりして適宜逃げ空間を作ります
白矢印:前側キャブに共締めされている
    アクセルケーブルホルダーを逃がしたところ

ニードルジェットを外す
ダイヤフラムの円筒の中に樹脂製(あめ色)のやや大きめのマイナスネジがあり、これを緩めて外すとニードルジェットと小さな樹脂付きスプリングがポロッと出てきます。それぞれ無くさないように注意しましょう。


黄矢印の樹脂製マイナスネジを外すと
ニードルジェットが出てきます


黄矢印:ニードルジェット
赤矢印:ニードルの上に被さる樹脂&スプリング
    順番/向き共にこの状態で組まれています

ニードルジェットのクリップ位置確認
標準のクリップ位置は前側キャブレターが3段目で、後ろキャブレターが3.5段目です。中古車購入でこれが変わっているようですと以前のオーナーさんがキャブセッティングをしていたことになりますね。ノーマルマフラーでしたら標準に戻してみるのもいいかもしれません。...余談

段数の数え方は...上から数えるようです。3段目ならジェットニードルの上側に掘ってある溝のてっぺんから3本目にクリップがあります。溝は全部で5本。3.5段というのはクリップの下にある黒いラバースペーサー?とクリップの間に0.5段分の厚みのあるワッシャーを挟むことで0.5段としています。今回自分の目で見て始めて「なるほど〜」と思ってしまいました。...余談


矢印を付け忘れましたが一番上の口が開いている
小さなワッシャーがクリップです
これの位置を変更することでセッティングを変更します
白矢印:0.5段用のワッシャー
    画像では左が3.5段/右が3段の状態
黄矢印:ニードル位置決め用の突起があることに注意
    この突起を円筒の穴に差し込みます

ニードルジェットのクリップ位置変更
クリップ...Eクリップって言うのかな?...を外します。ラジオペンチの先で口の開いている側から押し出すような感じで外し、希望の段に、組み付けは逆にクリップの閉じた方からラジオペンチで押し込むように...うまく説明できませんが、実際にやってみると分かると思います。←おい このクリップ、相当小さいモノですからふっ飛ばしちゃって紛失...なんてことにならないよう十分注意しましょう。

クリップ位置を上にする...例えば2段目にすると燃料の混合比?が薄くなります。
クリップ位置を下にする...例えば4段目にすると燃料の混合比?が濃くなります。

ニードルジェットの組み付け
希望の段数にしたら元に戻してゆきます。ダイヤフラムの円筒の中にニードルの受けがあって、そこにニードルに小さなスプリングを乗せた状態で差し込みます。差し込んだあとニードルを回して、ニードルに付く黒ゴムの突起を円筒の穴に収めます。ニードルが収まったら、樹脂製の大きめマイナスネジをラジオペンチなどで落とし込み、ドライバーで回して固定します。この樹脂ネジは斜めにねじ込みやすいので、真っ直ぐにねじ込むよう十分に注意してください。樹脂製ですからすぐにネジ山がダメになります。


矢印の先の小さな穴が黒ゴムにある突起が収まる穴です
最初の作業でこれに気付かず組んでしまい2度手間になりました

ダイヤフラムとカバーを戻す
前後ダイヤフラム(標準前3段/後ろ3.5段)を入れ違いないよう注意してキャブレター本体に戻します。外したときと同様にハーネスやステー等を適宜ずらして組み付けます。ダイヤフラムのゴムが収まる位置が決まっているので注意してください。実際に現物を見るとすぐにわかると思います。

カバーも位置が決まっています。これも見るとわかります。前キャブのカバーにアクセルケーブルホルダーのステーを戻して固定します。このホルダーを横に逃がした時にホルダーからケーブルが外れる経験をしました。念のためホルダーにケーブルがしっかり掛かっているかチェックするといいと思います。後ろキャブの上のネジ左右にはホース固定用のステー?が付きますのでこれも忘れずに。

ついでにスロットルケーブルの遊び量チェックをしてみる
ホルダー組み付けのついでにアクセルケーブルの引き側、戻し側の遊び量が指定通りかチェックするといいですね。戻し量はサービスマニュアルの「3-12」にあります。戻し側(上側白いナット)のナットからネジが出る量「ネジ出代」は0mm、引き側(下側黒っぽいナット)のネジ出代が1.8mmとなっています。

各部組み戻し
樹脂ボックスとタンク、燃料コック&ホース、そしてシート、負圧ポンプそれぞれを上で説明した逆の行程で組み付けて作業完了です。

以上です。

要所要所での気付いた点や注意点も含めたため、長ったらしくなりましたが、作業自体は1時間あれば十分かな?程度でした。慣れたら20〜30分で終わります。社外マフラーを入れてエンジンに不具合は無いにも関わらず、中回転域の調子がイマイチ...なんて人はクリップ位置変更にトライしてみても面白いかもしれません。高回転域を調整したい場合はカテゴリーにあるメインジェット交換(2件あります)を参考にしてみてください。

...ノーマルマフラーであっても、クリップ位置やジェット変更でどんな変化を体感できるのか...弄り好きの人は試してみるのもおもしろそうですね。

いずれもシロート作業手順ですので、当然完全ではありません。ご理解ください。アドバイスは随時大歓迎です。



1号のキャブは'08年5月にVMG大原さんにてOHしていただきました。この時交換されたのはダイヤフラムとそのスプリング、そしてフロート室のゴムガスケットのみでした。この他2点ほど大原さんオリジナルのチューンと言うか変更を受けまして、その一つがダイヤフラム負圧室の大気解放でした。これにより負圧室の圧がリニアに?掛かりやすくなり?ダイヤフラムの動きが良くなる=アクセル操作への追従性が良くなる、みたいな説明でした。

今回ダイヤフラムを外して気になったのが、ダイヤフラムの円筒とキャブのボディ側両方に無数の縦スジが付いていたことでした。これを見て「10万キロ走ったからだろうか?でもダイヤフラムはまだ2万キロだし...それとも大気解放により微細なチリを吸い込み、それが原因で?」と言う疑問と「どっちにしてもこの場所は機密性が必要じゃないのかな?スジがあるとまずいような?」てな心配が脳裏をかすめ...。

距離を走ったノーマルキャブにはこの縦スジがあるのか?ないのか?OHした際に交換された8万キロほど走ったダイヤフラムを引っ張り出して確認すると縦スジはほとんど確認されませんでした。と言うことは大気解放が縦スジを招いたのでしょうか?...ちなみに1号の8万キロダイヤフラムの円筒には縦スジはほとんど無く、黒いコーティングが摩耗によって色剥げしているのが確認できました。この摩耗が円筒だけなのか?それともキャブのボディ側も摩耗しているのか?だとしたら完調を望むならやっぱキャブ丸ごと新品交換...と言うことになるのかなぁ?と...。


見難いですが...円筒に無数の縦スジが...


1号の12年/8万キロダイヤフラム
円筒部の黒コーティング(アルマイト?テフロン?)が
摩耗により一部取れてしまっています
この部分に若干の縦スジも確認できました
位置的には下側になります
ダイヤフラムのゴム膜は若干硬化して動きが悪く
そして折り目癖?がついていました
ゴム膜の硬化はアクセルレスポンスに影響ありそうです

いずれにしろ一度、2号のノーマルキャブ(走行約2万5千キロ)を1号に移植して調子を見てみたいです。...新品が買えたらなぁ...。